好きだったワインが、いつのまにか「ただ飲むもの」になっていた。
嫌いになったわけではありません。
開けて、注いで、飲む。それだけの手順になっていた——という夜が、たぶんあります。
子どもが寝る。食器を片づける。時計は22時。
ここから先が、やっと自分の時間です。
自由になるのは、だいたい1時間ぶん。
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CHAPTER 01うまくいっているのに、
なぜか作業みたいだった。
仕事は回っている。家のことも、どうにか回っている。
誰かに責められる筋合いは、どこにもありません。
それでも、買ってきた赤を注いだ瞬間に、なんとなく分かってしまう。
今日のこれも、ただの一杯だな、と。
おいしいわけでも、まずいわけでもない。
半分残したまま、次の日になる。
贅沢がしたいわけではないはずです。
気になっているのは、たぶん、雑になっていくほうです。
CHAPTER 02「グラスを回せばいい」も、
正直あまり変わらなかった。
ワインは空気に触れると開く。その話は、たいてい知っています。
だからグラスを回してみる。少しは違う気がする。けれど、期待したほどではない。
きちんと開かせたいなら、デキャンタに移して置いておくしかない、とも言われます。
そのデキャンタは、たぶん家にあります。
お祝いでもらったか、独身のころに自分で選んだか。
いまは棚の奥です。
出すのが面倒だから、というより、洗うのが面倒だからだと思います。
同じ一本に、4時間かけるか、
10秒かけるか。
味の話はいったん外して、工程だけを並べてみます。
| デキャンタの場合 | この道具の場合 |
|---|---|
| デキャンタを出す | ボトルに挿す |
| 移し替える | ダイヤルを回す |
| 4時間、待つ | ボタンを押す |
| 飲む | 飲む |
| 洗う・拭く | — |
| しまう | — |
| 工程6/所要 約4時間 | 工程4/所要 10秒 |
ここに並んでいるのは、味の差ではありません。
工程の数と、待っている時間だけです。
棚の奥にしまわれた理由も、たぶんこのあたりにあります。
足りていなかったのは、知識でも情熱でもなく、時間でした。
詳しくなる必要はありません。覚え直す必要も、勉強し直す必要もありません。
好きだった気持ちは、たぶんまだ残っています。
なくなっていたのは、その気持ちを置いておくための時間のほうです。
そして、その時間は10秒あれば足りる、という話でもあります。
CHAPTER 03その10秒を、
機械に肩代わりさせる。
Vinxper Expert(ヴィンクスパー エキスパート)。
台湾のメーカーがつくっている、電動ワインエアレーターです。
やることは、ボトルに挿して、ダイヤルを回して、ボタンを押すだけ。
置いておいた状態に、その場で近づけます。
どういう仕組みなのかは、この先で書きます。
先に伝えておきたいのは、覚えることが何もない、ということだけです。
覚えることは、ありません。
挿す開けたボトルの口へ、まっすぐ差し込みます。
回すダイヤルで時間を選びます。目盛りは「分」です。
押す1杯につき10秒ほど。指を離せば、そこで止まります。
実際に、こう使います。
言葉で読むより、たぶん早いです。
ボトルに載せて、押す。それだけの30秒です。
-
01箱から出して、注ぐまで
-
02開栓して、ボトルにセット
-
03ロッドを挿してボタンを押すだけ
-
04そのままグラスへ注ぐ
-
05内蔵フィルターがコルク片や澱をこす
-
06片手でグラス1杯分
-
07注いだ瞬間の、立ちのぼる香り
※ 実際にお使いいただいた方の投稿から、製品の使用シーンを抜き出したものです。音声はありません。味わいの感じ方には個人差があります。
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CHAPTER 04なぜ10秒でいいのか
「4時間かかることが、なぜ10秒で終わるのか」。ここがいちばん引っかかるところだと思います。
答えは、空気に触れる面積にあります。デキャンタに移して置いておく方法で空気に触れているのは、液面という限られた面積だけです。そこからゆっくり取り込むので、何時間もかかります。
いっぽうこの機械は、吸い上げたワインに空気を混ぜてから注ぎます。触れる面積が桁違いに増えるので、短い時間で同じところまで届く——という理屈です。
魔法ではありません
ワインの器具には、磁石を当てる、電気を通すといった、原理のはっきりしないものも混じっています。これはそのどれでもありません。空気を混ぜているだけで、やっていることはデカンタージュそのもの。変わったのは、かかる時間だけです。
この原理については、科学誌サイエンティフィック・アメリカン(台湾版)に関連する研究が掲載されています。高い圧力のもとで空気を注入すると、渋みや苦みのもとになる成分が短時間で分解され、長時間のエアレーションと近い状態になることが示されています。※味わいの感じ方には個人差があります。
できることの内訳
特許を取得したベンチュリー構造と、独自の曝気(エアレーション)技術で、ワインに送り込む空気の量を細かく制御しているとのこと。調整できる幅は、0〜4時間ぶんを30分刻みにした8段階です。
- メッシュフィルター内蔵/注ぐ過程で澱(おり)をこし取ります
- 伸縮ノズル/750mlの標準ボトルから、1.5Lのマグナムまで
- 電動ディスペンサー/押している間だけ注がれ、手を離すと止まるので液だれしにくい設計です
- TYPE-C充電・全機防滴/置き場所も、コンセントの位置も選びません
今日の気分で、時間を選ぶ。
- 30分軽めに。ピノ・ノワールなど繊細な赤はここから。
- 2時間しっかりめに。どれか迷ったときの基準として。
- 4時間ボディのしっかりした赤を開けた日に。
選ぶ、という行為そのものが、たぶん久しぶりです。
※ 決まった正解はありません。感じ方には個人差があります。開栓後、まだ閉じている若いワインを、その日のうちに開かせるための目安です。すでに酸化して風味が落ちたワインが元に戻るものではありません。
渋いものほど長く、繊細なものほど短く。
ダイヤルの合わせ方に決まりはありませんが、覚えておくと迷わない目安があります。この一行だけです。
- 若い赤・タンニンの強い赤(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、ネッビオーロなど)……120〜240分。いちばん角が立っているタイプなので、長めが向きます。
- 繊細な赤(ピノ・ノワール、ガメイなど)……0〜30分から。ここはかけすぎに注意してください。強くすると、持ち味の軽やかさまで飛んでしまうことがあります。
- 白ワイン……30〜60分。香りが立ち、口当たりがなめらかになります。冷やしたままで大丈夫です。
- 熟成した古いワイン……短め、または使わない。時間をかけて開いてきたものを、急がせる必要はありません。
スパークリングワインには使用しないでください。炭酸が抜けるだけでなく、吹き出す危険があります。ビールも同じ理由で非推奨です。
※メーカー資料に基づく一般的な目安です。品種・造り・保存状態によって変わります。
ワインだけの道具では、ありません。
対象は赤・白ワインと、蒸留酒です。ウイスキー、ブランデー、焼酎などにも使えます。度数の高いお酒では、注いだ直後のアルコールの当たりがやわらぐ、という声があります。
反対に、スパークリングワインとビールは使えません。炭酸を含むお酒は対象外です。
※お酒は適量を。この製品は、飲む量を増やすためのものではありません。
週末の食卓、友人が来る夜、
休みの前の日。
※画像はイメージです。
CHAPTER 05すでに、約40万台。
特別な人のための道具ではない、ということだけ書いておきます。
(メーカー公表)
の開発期間
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VOICES|海外Amazonのレビューより使っている人は、
どう言っているのか。
日本での販売はこれからなので、海外Amazonに寄せられたレビューから、内容を要約して紹介します。
いい声だけ並べても意味がないので、低い評価も置いておきます。
※海外Amazonのレビュー58件をもとにしています。星1は7%(4件前後)。いずれも要約であり、原文の訳ではありません。感じ方には個人差があります。
先に、正直に書いておきます。
- 価格は¥24,980(税込/送料無料)。気軽な金額ではありません。
- 注いだ直後に、細かい泡が立ちます(15秒ほどで消えます)。
- 本体は水洗いにも食洗機にも対応していません。外側は布で拭き取ります。
- ボトルの形状により、底に約50mlのワインが残ります。
- 保存器具ではありません。開栓後は1〜2日以内に飲み切ってください。
- 海外Amazonのレビューより:初期不良や故障の報告もあります(星1が7%)。購入元の保証と交換対応をご確認ください。
- スパークリングには使えません。ビールも非推奨です(赤・白ワインと蒸留酒が対象)。
この4つが引っかからないなら、たぶん合います。
買う前に気になること。
引っかかりやすいところを、都合の悪いことも含めて先に書いておきます。
正直、高くないですか?
ひとつの見方として、ふだん2,000円のワインを買っている方が1,000円台に置き換える、という考え方があります。1本あたり1,000円の差が出るとすると、週2本で月8,000円。この計算でいくと3〜4か月ぶんの差額に相当します。デキャンタの置き場所や洗う手間がなくなることも含めると、見え方が変わるかもしれません。
本当に味が変わるんですか?
ただ、変化そのものについては科学誌に掲載された研究があり、WSET・ISGの資格者によるテストも行われています。「なんとなく良くなる気がする」という類の話ではない、という点は申し添えておきます。感じ方には個人差があります。
壊れやすくないですか?
いっぽうで「販売元に連絡して交換してもらえた」という声も複数あります。購入前に、販売ページで保証とサポートの内容をご確認ください。
効きすぎることはありませんか?
思ったより大きくないですか?
白やスパークリングにも使えますか?
スパークリングワインには使用しないでください。炭酸が抜けるだけでなく、吹き出す危険があります。ビールも同じ理由で非推奨です。
お手入れが面倒では?
注意点が2つ。洗剤は使わないでください。そして本体の水洗い・食洗機は不可です(防滴設計であって完全防水ではありません)。においが気になってきたら、すすぎ水にレモン汁か酢を少し入れると改善します。
充電はどのくらい持ちますか?
注ぐと泡が出ました
ボトルの最後まで注げますか?
飲み残しの保存にも使えますか?
ワイン通には邪道と言われませんか?
そのうえで、デカンタージュには300年以上の歴史がある一方、洗いにくさ・割れやすさ・待ち時間を推測する難しさに多くの人が悩まされてきたのも事実です。道具が変わっても、やっていることはデカンタージュそのものです。
1,000円のワインを“ちゃんと”飲める夜が、何回あるか。
元が取れるかどうかの計算は、ここではしません。
そのぶん、ひとつだけ。
これから先、ちゃんと飲める夜が何回あるか。
その回数で見たときに、高いかどうかだと思います。
価格 ¥24,980(税込)/送料無料(沖縄・離島は1,500円)/同梱物:本体/3段伸縮ステンレスチューブ(メッシュフィルター内蔵)/充電ケーブル(41cm・USB-A → Type-C 2.0)/取扱説明書
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いつものワインを、
ちゃんと。

